2026年8月調査20サービス実査独自データ

AIコールセンターの費用相場
20サービスの料金公開状況を調べた結果

AIコールセンターの費用を調べようとすると、「要問い合わせ」ばかりで相場が掴めません。それは調べ方が悪いからではなく、実際に大半のサービスが料金を公開していないからです。主要20サービスの公式サイトを一件ずつ確認した結果と、実額が分かっているサービスの価格、そして「1コールあたりいくらか」に換算する方法を整理しました。

公開日:2026年8月14日|調査対象:20サービス|執筆:株式会社Rabona AI 編集部
調査結果の要点

調査結果:20サービスの料金公開状況

AIコールセンター主要20サービスの公式サイトを2026年7〜8月に一件ずつ確認した結果、初期費用・月額の実額を公式に公開していたのは8サービス(40%)でした。残る12サービスは、公式非公開(個別見積)か、代理店・比較サイトの二次情報しか存在しない状態です。

公開状況の内訳

価格情報の確度件数内容
公式公開8公式サイトに初期費用または月額の実額が掲載されている
代理店/比較サイト情報6公式には無く、第三者媒体にのみ金額の記載がある。掲載時点が不明なものが多い
不明4公式・第三者ともに金額の記載を確認できなかった
推定1類似構成からの推定値しか存在しない
非公開(自社)1本サイト運営元のAIコールセンター。他社と同じ基準で「非公開」と扱っています

国内のAIコールセンター/ボイスボットに絞ると、公開は2件だけ

上の8件には、海外のCCaaS基盤(Amazon Connect、Google、NICE、Genesys、Zendesk)やチャットボット製品が含まれています。電話応対を主軸にした国内サービス8つに絞ると、公式サイトで月額を確認できたのは2件だけでした。

国内サービス料金の公開状況公開されている金額
IVRy(アイブリー)公式公開初期0円/月額0円〜10,480円(税抜)
トビラフォン Cloud公式公開初期30,000円/月額3,000円〜(税別)
AI Worker VoiceAgent(AI Shift)二次情報のみ公式非公開・個別見積
PKSHA VoiceAgent不明公式非公開
COTOHA Voice DX Premium不明初期・月額とも公式非公開
MOBI VOICE / MOBI AGENT二次情報のみ公式非公開(比較メディア発で初期30万円〜/月額15万円〜。掲載時点不明)
AmiVoice Communication Suite推定公式非公開
AIコールセンター(自社)非公開月額基本料+従量課金。要問い合わせ

この調査結果には、自社サービスも他社と同じ基準で含めています。当社も料金を公開していません。「他社は非公開だが自社は明朗」という主張をするための調査ではなく、この領域で相場が掴みにくい理由を明らかにするための実査です。詳細な比較はAIコールセンター比較20選に掲載しています。

なぜ「要問い合わせ」ばかりなのか

料金非公開を不誠実と決めつける前に、構造的な理由を知っておくと見積の読み方が変わります。

1. 価格が入電量と業務要件で数十倍変わる

月100件の代表電話と、月10万件のコンタクトセンターでは、必要な同時回線数もシステム連携の規模も別物です。この幅を一枚の料金表に載せると、どの層にとっても意味のない数字になります。

2. 構築費が読めない

基幹システムとの連携や本人確認を伴う案件は、要件定義そのものに工数がかかります。ソフトウェアのライセンス費より、初期構築とチューニングの人件費のほうが大きいケースは珍しくありません。ここは事前に定額で示しにくい部分です。

3. 競合に価格を見せたくない

エンタープライズ向けの商習慣として、単純に価格を晒したくないという事情もあります。海外のエンタープライズCXでは、公式サイトに料金ページ自体が存在しない例もありました。

掴み方は「レンジで聞く」

非公開のサービスに問い合わせるとき、いきなり詳細見積を求めると商談プロセスに入るまで数字が出てきません。「月◯件の入電で、用件は◯種類。この規模だと年間の総額はどのレンジになりますか」と幅で聞くと、初回の打ち合わせでも概算を得やすくなります。桁が合わなければ、そこで検討から外せます。

料金モデルは3種類

モデル課金の考え方向いているケース/注意点
月額固定+従量 基本料に加え、通話時間や件数に応じた従量課金。中小企業向けはこの型で公開価格を持つことが多い 入電量が読める窓口。繁忙期に従量分が跳ねるので、ピーク月で試算する
完全従量 固定費なし。1分単位・1コール単位・処理単位での課金 季節変動が大きい業務。小さく始めやすい反面、量が増えると固定型より割高になる分岐点がある
個別見積(非公開) コールセンター規模のボイスボットと海外エンタープライズCXはほぼこれ。成果ベース課金の例もある 月間数万件以上、基幹システム連携が前提。契約は年単位が基本で、途中の縮小が難しいことがある

成果ベース課金(AIが解決した件数に対して課金する方式)は、一見すると発注側に有利に見えます。ただし「解決」の定義を誰がどう判定するかが契約の核心になります。定義が曖昧なまま契約すると、想定外の請求が発生し得ます。

実額が公開されているサービスの価格

公式に金額が出ているものだけを並べます。金額は2026年7〜8月時点の公開情報です。

国内・中小企業向け

海外CCaaS基盤

海外CCaaSの単価は席数ベースで、日本円換算・日本法人経由だと条件が変わります。また日本語の音声品質は別途の検証が必要です。米国のリスト価格をそのまま国内の予算計画に使わないでください。

比較の基準点:従来型IVR

クラウド型の従来型IVRは初期費用無料〜30万円程度、月額は出典により幅がありますが数千円〜数万円です。AIコールセンターの費用対効果を判断するときは、この「安いが聞き取れない」選択肢を基準線に置くと考えやすくなります。IVRで足りるなら、そちらのほうが確実に安価です。

見落とされやすい費目

基本料だけを並べて比較すると、実際の請求額は簡単に逆転します。見積書に載っているか確認すべき費目です。

費目内容確認ポイント
通話料電話回線そのものの費用。着信・発信で異なるサービス料金に含まれるのか別建てか。番号を持ち込む場合はどうなるか
転送料AIから有人へ転送した通話の通話料転送率が高い窓口ほど効く。固定電話向けで1分14.3円程度が目安
SMS送信料住所入力フォームや予約確認の送信費1通あたり14円前後。完了率を上げるほど送信数が増える
初期構築費フロー設計、システム連携、テストライセンス費より大きくなることがある。範囲外の作業単価も確認する
チューニング費運用開始後の応答改善自社で編集できるのか、都度ベンダー作業(有償)なのか
同時回線の追加ピーク時の同時着信数を増やす費用繁忙期のピーク件数で試算する。平常時の見積では足りない
最低利用期間年契約の縛り、途中解約の条件効果が出なかった場合の撤退コスト。スモールスタートの可否に直結

1コール単価に換算する

料金モデルがバラバラなサービスを比較する唯一の方法は、同じ土俵に乗せることです。

1コール単価 =(月額基本料 + 従量課金 + 通話料 + 転送料 + SMS料)÷ 月間の通話件数

初期費用は、想定利用期間(例:24か月)で割って月額に按分すると比較しやすくなります。

試算例

月間1,000件の入電、平均通話3分、うち20%を有人転送、30%にSMSを送る窓口を想定した場合の考え方です。以下は計算方法を示すためのモデルであり、特定サービスの見積ではありません。

費目計算月額
基本料プラン月額10,480円
AI自動応答(従量)1,000件 × 3分 × 3.3円/分9,900円
転送分の通話料200件 × 3分 × 14.3円/分8,580円
SMS送信300通 × 14.3円4,290円
合計33,250円
1コール単価33,250円 ÷ 1,000件約33円

この試算で分かるのは、基本料は総額の3割程度にすぎないということです。残りは通話量と転送率とSMS数で決まります。だからこそ、比較の軸は基本料ではなく1コール単価になります。

また、転送率が20%から40%に上がると転送料が倍になります。「人に繋ぐ率」がそのまま費用に効くため、自動完了率を上げる運用は品質改善であると同時にコスト改善でもあります。

有人対応と比べる

1件あたりの単価で見ると約20倍の開き

有人の電話一次受けサービスは1件200円前後(fondesk 公開料金からの換算)です。AIによる自動応答は概ね10円/件前後。同じ「電話に出る」という行為で約20倍の差があります。

席単位で見る

項目金額出典・前提
コールセンタースタッフ 募集時平均時給1,484円リクルート 三大都市圏、2026年2月度
1席あたり人件費(月160時間)約23.7万円上記時給 × 160時間
CTI席料15,000円/月BIZTEL 公開価格
1席あたり月額合計約25万円採用・研修コストは含まず

入電の8割を自動化できた場合、AI費用を含めても1席あたり月18〜19万円の削減余地が出る計算になります。ただしこれは定型的な問い合わせが多い窓口での上限値です。判断や交渉を伴う窓口では自動化率が下がり、削減額もそれに比例して小さくなります。

試算の前に、自社の入電のうち定型で終わる用件が何割かを実測してください。直近1か月の入電を用件別に数えるだけで、期待値の精度は大きく変わります。この作業を省いた導入は、ほぼ必ず「思ったより減らない」で終わります。進め方はAIコールセンターとは|仕組み・費用相場・導入手順の完全ガイドにまとめています。

相見積もりで必ず聞くべき7項目

  1. この見積に通話料は含まれますか
    含まれない場合、想定通話量での概算を別途もらいます。
  2. 有人へ転送した通話の費用はどうなりますか
    転送率20%と40%の両方で試算してもらうと、レンジが見えます。
  3. SMS・メール送信は別料金ですか
    1通あたりの単価と、月間の想定通数を確認します。
  4. 初期構築費の範囲はどこまでですか
    フロー本数、シナリオ数、連携先システム数など、何を超えると追加になるかを明文化してもらいます。
  5. 運用開始後の文言変更は誰がやりますか
    自社で管理画面から編集できるのか、都度ベンダー作業(有償)なのか。運用改善の速度を左右します。
  6. ピーク時の同時着信は何件までですか
    繁忙期の実績値を伝えて確認します。超過時の挙動(待たせるのか、追加課金なのか)も。
  7. 最低利用期間と、途中解約の条件は
    効果が出なかった場合の撤退コストです。年契約が前提なら、その前に検証期間を設けられるか交渉します。

よくある質問

AIコールセンターの費用相場はいくらですか?
公開価格がある中小企業向けの層は、初期0円〜3万円、月額0円〜1万円台に従量課金を加えた構成です(IVRy 月額0円〜10,480円税抜、トビラフォン Cloud 初期30,000円・月額3,000円税別など)。一方、コールセンター規模のボイスボットは各社とも料金非公開で個別見積が前提です。2026年8月に主要20サービスを調べたところ、公式サイトで実額を確認できたのは8件(40%)、電話応対を主軸とする国内8サービスに限ると2件のみでした。
なぜ多くのサービスが料金を公開していないのですか?
入電量と業務要件によって価格が数十倍変わるため、一枚の料金表にすると意味のない数字になってしまうこと、基幹連携を伴う案件では初期構築とチューニングの人件費が読みにくいこと、エンタープライズ商習慣として価格を開示しないことの3つが主な理由です。問い合わせる際は詳細見積をいきなり求めるより、「月◯件の入電、用件◯種類の規模で年間総額はどのレンジか」と幅で聞くと、初回でも概算を得やすくなります。
基本料が安いサービスを選べば総額も安くなりますか?
なりません。月1,000件・平均3分・転送率20%・SMS 30%というモデルで試算すると、総額に占める基本料の割合は3割程度で、残りは従量課金・通話料・転送料・SMS料です。比較は「(月額+従量+通話料+転送料+SMS料)÷ 月間通話件数」で1コール単価に換算して行ってください。特に転送率は費用に直結し、20%から40%に上がると転送料が倍になります。
有人のコールセンターと比べてどれくらい安いですか?
1件あたりで見ると、有人の電話一次受けサービスが200円前後(fondesk公開料金からの換算)、AI自動応答が10円前後で、約20倍の開きがあります。席単位では、コールセンタースタッフの募集時平均時給1,484円(リクルート、三大都市圏、2026年2月度)に月160時間を掛けて約23.7万円、CTI席料15,000円(BIZTEL公開価格)を加えて約25万円。入電の8割を自動化できれば、AI費用込みで月18〜19万円/席の削減余地が出ます。
見積で見落としやすい費目は何ですか?
通話料、有人転送時の転送料、SMS送信料、初期構築費、運用開始後のチューニング費、ピーク時の同時回線追加費、最低利用期間と途中解約条件の7つです。特に転送料とSMS料は運用が軌道に乗るほど増える費目で、初期の見積では小さく見積もられがちです。相見積もりの際は、転送率を20%と40%の2パターンで試算してもらうとレンジが見えます。
IT導入補助金は使えますか?
対象になるかは、そのサービスがIT導入支援事業者を通じて登録されているかによります。導入を検討しているベンダーに「補助金の対象ツールとして登録されているか」を直接確認してください。金額や要件は年度ごとに変わるため、公募要領の最新版を必ず参照する必要があります。

調査方法

2026年7月から8月にかけて、国内ボイスボット、CCaaS基盤、海外エンタープライズCX、チャットボット、従来型IVRを含む20サービスについて、各社の公式サイト・公式プレスリリース・公式ドキュメントを確認しました。金額の記載を確認できたものを「公式公開」、公式に記載がなく代理店や比較メディアにのみ記載があるものを「代理店/比較サイト情報」、いずれにも記載がないものを「不明」として分類しています。

公開情報で確認できなかった項目を推測で埋めることはしていません。「非公開」は機能や価格が存在しないという意味ではなく、公開情報からは確認できなかったという意味です。また、本調査には当社サービスも他社と同じ基準で含めており、当社も料金は非公開に分類されています。

見積の前に、実際の音声を聞いてください

費用対効果を左右するのは自動完了率、つまり「どれだけ人に繋がずに終われるか」です。カタログでは分かりません。言い直しや相槌を含む実際の話し方でデモを試したうえで判断してください。

本ページで参照した出典

記載内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。各社の料金・機能は変更されることがあるため、最新情報は各社公式サイトをご確認ください。当社(株式会社Rabona AI)はAIコールセンターの提供事業者であり、本ページには自社サービスの案内を含みます。