導入事例エアコン工事・電気工事受電+架電

設置後フォローの受電、約9割をAIが完結
担当者が電話を取らない運用へ

株式会社宝宮設備様(神奈川県厚木市)は、エアコン工事・給湯器交換・電気工事を完全自社施工で手がける会社です。1日20〜50件の設置後フォロー受電に担当者が10時から17時まで張り付き、その間ほかの事務作業が止まっていました。AIコールセンターの導入後、受電の約9割をAIが完結し、人が対応するのは緊急性が高いものと判断が必要な約1割だけになっています。

業種:電気製品の販売工事|所在地:神奈川県厚木市|用途:受電の一次対応/設置日確認の架電
この事例の要点

抱えていた課題

電話に張り付く10時から17時。その間、事務作業が止まっていた。

株式会社宝宮設備様は、神奈川県厚木市を拠点に、電気製品の販売工事をメインとしてエアコン工事・給湯器交換・電気工事を手がけています。エアコンの設置・取り外し・移設からメンテナンス、エアコンクリーニング、照明器具の取付・交換まで完全自社施工で対応し、対応エリアは神奈川県内と東京23区。埋め込み式のハウジングエアコンや、他社で断られた工事にも応じています。

現場が動く一方で、事務所側の課題になっていたのが電話でした。電話は受けるだけではありません。

受ける側 — 1日20〜50件の設置後フォロー

設置を終えたお客様からのフォローの入電が1日20〜50件。内容は「エアコンが冷たくならない」「工事のときに忘れ物をしたかもしれない」「化粧カバーの色を変えたい」など実にさまざまです。担当者は10時から17時のあいだ電話対応に張り付くことになり、その間はほかの事務作業が止まってしまう。しかも設置後の問い合わせは平日だけとは限らず、土日にもかかってきます。

かける側 — 設置日確認の架電が多い日で1日10件

エアコンの設置日をご確認いただくためのご連絡が、多い日で1日10件。お客様に一度で出ていただけるとは限らず、つながるまで何度もかけ直すことになります。この往復そのものが担当者の時間を奪っていました。

人を増やす選択肢が成立しなかった

人を増やして解決しようにも、そもそも採用で人が集まらない。採用できたとしても電話対応を任せるとなると教育の負担が大きく、担当者の精神的な負担も見過ごせない。電話は「減らせない業務」として、ずっと残り続けていました。

この構図は設備・工事業に限りません。コールセンターの人手不足の正体は採用難だけではなく、事務従事者の有効求人倍率が0.35倍と求職者のほうが多い一方で、離職率20.3%・スーパーバイザーの不足感87.9%という定着側の問題があります。募集をかけても育つ前に辞めていく構造では、採用を強化しても現場の負荷は下がりません。

なぜIVRではなくAIコールセンターだったのか

電話の負荷を下げる方法として、IVR(自動音声応答)も検討されています。従来型IVRは月額数千円から導入でき、振り分けの確実性という点では今も有効な手段です。

それでも見送った理由は、顧客体験でした。番号を押して選んでいただく形は、お客様の体験をどうしても悪くしてしまう。設置後に困って電話をかけてこられた方に、機械的な選択肢を聞かせるのは違うという判断です。結果的に、これはやめて正解だったと振り返っていただいています。

実際の応対を聞いていただいたときの最初の印象は「ほとんど人間です」というものでした。それでも導入前に懸念されていたのは、AIが事実と違うことを話してしまうハルシネーションです。設置工事の内容やお客様の状況に関わる話なので、間違った案内をしてしまえば信頼に関わります。

この判断は、業務の性質と手段が噛み合っているかという観点で見ると理解しやすくなります。IVRが向くのは「振り分け先が番号で表現できる」業務です。「エアコンが冷たくならない」「化粧カバーの色を変えたい」のように用件が発話でしか表現できない窓口では、番号選択に落とし込むこと自体に無理があります。詳しくは従来型IVR・ボイスボット・有人BPOとの違いで整理しています。

受電の設計 — 9割をAIが完結し、1割を人へ

現在は、エアコン設置後のフォロー受電をAIが一次対応しています。AIがお客様の用件をヒアリングし、そのまま案内まで完結できるものが全体の約9割。人が対応するのは、緊急性が高いものや、判断が必要な残り約1割だけです。担当者はもう電話を取っていません。

「任せられる」を成立させているのは記録の残り方

安心して任せられている理由は、応対そのものよりも記録の設計にあります。

電話を取らなくなっても状況が見えなくならない。むしろ人が対応していた頃より記録が正確になりました。24時間・土日も受けられるようになったため、これまで取りこぼしていた時間外の入電もカバーできています。

導入検討でしばしば議論になるのが「AIに任せると中身が見えなくなるのではないか」という不安です。この事例が示しているのは逆の結果で、人が電話を受けていた頃は記録が担当者の記憶とメモに依存していたということでもあります。通話の録音と全文テキストが標準で残るかどうかは、自動化率と同じくらい重要な確認項目です。

架電の設計 — 留守番電話にメッセージを残す

受電だけでなく、かける側もAIが担当しています。対象はエアコンの設置日をご確認いただくためのご連絡で、多い日で1日10件。件数としては多くありませんが、これが地味に大変な業務でした。

お客様が日中お仕事をされていれば当然電話には出られませんし、つながるまで時間を置いて何度もかけ直すことになります。問題は件数ではなく、かけ直しの往復そのものでした。

導入後は、つながればその場で設置日と時間帯のご確認まで完了させ、出られなかった場合は留守番電話にメッセージを残します。お客様は都合の良いタイミングでメッセージを聞いて折り返しの判断ができますし、こちらは「かけ直し続ける」必要がなくなりました。ここがとても楽になった部分だと伺っています。

架電の結果も受電と同じくLINE WORKSに通知され、録音と全文テキストが残るので、誰にいつ何を伝えたのかは後から確認できます。

架電の自動化は、件数が少なくても「かけ直しが多い業務」なら効きます。1日10件という数字だけを見ると自動化する価値が小さく思えますが、実際に消えていたのは「10件かける時間」ではなく「つながるまで繰り返す時間」でした。同じ論点は導入事例27選の類型4(アウトバウンドのリマインド・督促)でも扱っています。

立ち上がりは約1週間

運用を始めてからは、Rabona AI 側のサポートが伴走しながら、AIが会話のログをもとに自律的に応対を改善していきました。その結果、約1週間でほぼ想定どおりの精度になり、安心して任せられる状態になっています。

導入前に懸念されていたハルシネーションについても、この立ち上がり期間のなかで実際の通話ログを見ながら詰めていくかたちで解消されました。

立ち上がりの速さは、対象業務を絞れているかどうかでほぼ決まります。この事例では対象が「エアコン設置後のフォロー受電」と「設置日確認の架電」の2つに限定されており、想定される用件のパターンが安定していました。逆に、最初から全用件を対象にすると想定外の発話が増え、初期の誤応答が現場の不信感につながります。進め方は導入の進め方にまとめています。

導入後の効果

観点導入前導入後
受電の対応担当者が10時〜17時は電話に張り付き。土日にも発生約9割をAIが完結。担当者は電話を取らない。24時間・土日もカバー
架電の対応多い日で1日10件。つながるまで何度もかけ直すその場で確認完了、不在時は留守番電話にメッセージ。かけ直しの往復が不要に
記録担当者の記憶とメモに依存用件・工事日・氏名をLINE WORKSへ自動通知。録音+全文テキストが残る
工数受電と架電、そこから発生する対応時間削減できた工数は数百時間規模
採用電話対応のために採用したいが人が集まらない。採用できても教育負担が大きい採用の前提そのものが不要に
担当者の負担電話が鳴るたびに手を止める。精神的な負担も大きい手を止められる状態から解放された

効果は工数と精神面の両方に出ています。1日20〜50件の受電と、多い日で1日10件の架電、そしてそこから発生していた対応時間がまるごと不要になり、削減できた工数は数百時間規模になりました。

採用の悩みも同時に解けています。電話対応のために人を採ろうとしていたものの、募集しても人が集まらず、採用できても電話業務を任せる教育が大きな負担でした。その前提そのものが必要なくなったかたちです。

代表の小宮様からは「これは革命的だと思います。今後はみんなにこれを共有して、少しでも Rabona さんの良さを広めていきたいですね(笑)」という言葉をいただいています。今後は、設置日のご確認だけでなく、新規のお客様への架電にも広げていく予定です。

この事例から一般化できること

当サイトでは、公式リリースで原文を確認できたAIコールセンターの導入事例27件を導入事例27選にまとめています。そのなかにこの事例を置くと、位置づけがはっきりします。

1. 用件が絞れているほど自動化率が上がる

約9割という水準は、27事例のなかでは東急社宅マネジメント(一次受付の90%超)と並ぶ上位です。両社に共通するのは用件の種類が限られていることで、宝宮設備様の入電は設置後フォローに集中しています。一方、代表電話の一次受付を広く対象にした事例では自動化率が50〜60%台に集まります。率だけを他社と比べても意味がなく、対象範囲とセットで読む必要があります。

2. 受電と架電の両方を自動化している事例は少ない

27事例を見渡すと、受電と架電を同じ窓口で自動化している例はこの1件だけでした。多くのサービスは受電か架電のどちらかに寄っています。工事業のように「設置後の問い合わせを受ける」と「設置日を確認するためにかける」が対になっている業務では、片方だけを自動化しても電話の総量は半分しか減りません。

3. 「任せられる」の条件は記録である

導入をためらう理由として「AIに任せると状況が見えなくなる」がよく挙がります。この事例では、用件の通知・録音・全文テキストという記録の設計が、任せる判断を成立させました。応対品質と同じ比重で確認すべき項目です。

4. 件数が少ない架電でも、かけ直しが多いなら効く

1日10件の架電は、自動化の対象として小さく見えます。しかし実際に消えていたのは「かけ直し続ける時間」でした。架電の自動化を件数だけで判断すると、この種の業務を見落とします。

設備・工事業が検討するときのポイント

同じ業種で検討される場合、次の4点を確認すると判断しやすくなります。

  1. 設置後フォローの入電が何件あるか、内訳はどうか
    直近1か月を用件別に数えてください。不具合・忘れ物・仕様変更のように用件のパターンが限られていれば、高い自動化率が見込めます。
  2. かけ直しが発生している架電はどれか
    日程確認や在宅確認のように「一度で出ていただけない」前提の架電は、留守番電話へのメッセージまで自動化できると往復が消えます。
  3. 受けた内容をどこに流すか
    現場が動いている業種では、事務所で受けた内容を職人・担当者へ渡す導線が必要です。LINE WORKS のような既に使っているツールへ通知できるかを確認してください。
  4. 人に渡す条件を決められるか
    緊急性が高いもの、判断が必要なものをどう定義して取り次ぐか。ここが曖昧だと、AIが推測で答えてしまうか、逆に何でも転送して効果が出ないかのどちらかになります。

費用の考え方はAIコールセンターの費用相場に、サービスの選び方は失敗しないための選び方7つの観点にまとめています。

同じ形が自社でも成立するか、まず確認してください

自動化率は対象業務の絞り方で大きく変わります。判断の出発点になるのは、自社の入電のうち定型で終わる用件が何割かという実測値です。直近1か月の入電を用件別に数えるところからご相談いただけます。実際の応対音声もデモでご確認いただけます。

導入企業

本ページは、株式会社宝宮設備様への導入事例インタビュー(2026年7月27日公開)をもとに、AIコールセンターの導入検討という観点で再構成したものです。記載している数値および発言は同インタビューの内容にもとづきます。掲載にあたっては同社の許諾を得ています。当社(株式会社Rabona AI)はAIコールセンターの提供事業者です。