コールセンターを外注(アウトソーシング・BPO)すると月いくらかかるのか。内製で人を採用する場合や、AIに電話を受けさせる場合と比べて高いのか安いのか。このページでは、有人コールセンター外注の料金体系と公開されている相場を出典つきで整理し、自社採用のコスト、AIコールセンターの料金の型と並べて、同じ月間件数で3つを比べる試算の考え方を示します。あわせて、AIに寄せられる用件・寄せられない用件と、外注とAIを併用する設計、切り替えの進め方までをまとめました。
コールセンター外注(アウトソーシング・BPO)の料金は、「初期費用」と「運用費」の組み合わせで決まり、運用費の課金方式は月額固定型・従量課金型・席数(時間)課金型の3つが基本です。アウトバウンド(発信)業務では、アポイント獲得件数などに応じて支払う成果報酬型も使われます。どの方式が安いかは、月間の件数と、件数の月ごとのぶれ方で決まります。
| 料金体系 | 課金の考え方 | 向いているケース/注意点 |
|---|---|---|
| 月額固定型 | 「月◯コールまで」を定額で対応し、上限を超えた分は1件ごとの超過料金(コールオーバー料金)がかかる | 件数が毎月ほぼ一定の窓口。繁忙月に超過料金が積み上がるので、ピーク月の件数で試算する |
| 従量課金型 | 1コールあたりの単価×件数。固定費は小さいが、1件あたりの単価は月額固定型より高めに設定されるのが一般的 | 件数が少ない、または季節変動が大きい窓口。件数が増えると月額固定型より割高になる分岐点がある |
| 席数・時間課金型 | 専任オペレーターの席(ブース)を月単位や時間単位で確保する。件数ではなく稼働時間に払う | 件数が多く、専門知識や自社システムの操作が必要な窓口。件数が少ないと空き時間にも払うことになる |
| 成果報酬型(主にアウトバウンド) | アポイント獲得・契約獲得などの成果1件ごとに支払う。架電件数の従量課金と組み合わせることもある | テレアポなど成果を定義できる業務。「成果」の定義と、無効とみなす条件を契約で明確にする |
受電(インバウンド)は、いつ何件かかってくるかを発注側が決められません。そのため「受けた件数」か「待機している時間」に払う形になり、月額固定型か従量課金型が中心です。一方、発信(アウトバウンド)は架電リストの件数で作業量が決まるため、架電1件あたりの従量課金か、成果報酬型が多く使われます。アウトバウンドはリストの質で成果が大きく変わるので、架電件数あたりの単価だけでなく、成果1件あたりの総額で比べる必要があります。
料金を比べるときに混同しやすいのが、電話代行(秘書代行)とコールセンター外注の違いです。電話代行は会社名で電話を受け、用件と連絡先を聞き取って担当者に伝える取次・伝言が中心で、1件あたりの単価が低く設定されています。コールセンター外注は、マニュアルやFAQをもとにオペレーターが用件そのものを完結させる業務で、研修・マニュアル作成・品質管理の費用が乗るぶん単価が上がります。「1件200円」と「1件800円」は同じ仕事の値段の差ではなく、仕事の範囲の差であることが多い点に注意してください。
BPO事業者自身や比較メディアが公開している相場の記述を、出典ごとに並べます。いずれも各社が解説記事として示している目安であり、特定の見積額ではありません。複数の出典でおおむね重なるレンジを読み取るのが実用的です。
| 項目 | 公開されている目安 | 出典(2026年9月確認) |
|---|---|---|
| 初期費用 | 1万〜5万円 | NTTネクシア、日本テレネット |
| 0〜5万円のケースもあれば、20〜50万円のケースも | 博報堂コンタクト&ロジスティクス | |
| 5万〜50万円(システム構築・研修・マニュアル作成) | MiiTel(RevComm) | |
| 月額固定型 | 月10万〜30万円程度 | NTTネクシア、NTTマーケティングアクトProCX |
| 1コールあたり100〜200円(月額固定型の場合) | PRONIアイミツ | |
| 従量課金型(インバウンド) | 1コール300〜1,000円程度 | NTTネクシア、日本テレネット、MiiTel |
| 1コール500〜1,000円程度 | NTTマーケティングアクトProCX | |
| コールオーバー(超過)料金 | 1件100〜250円程度 | PRONIアイミツ |
| 専任席(席数型) | 1席 月20万〜50万円程度 | PRONIアイミツ |
| アウトバウンド | 1件250〜350円前後 | 日本テレネット |
| 1コール100〜500円程度。B2Bの商談獲得など高難度案件の成果報酬は1件数万円に達することも | MiiTel(RevComm) |
月1,000〜2,000件という規模をそろえて試算している公開資料として、IVRyのコラム(2026年6月公開)があります。そこでは、BPO型の外注が初期費用20万〜80万円・月額55万〜173万円・1コール400〜800円、電話代行型が初期費用1万〜4万円・月額5.5万〜22万円・1コール100〜200円と整理されています。前述のとおり、両者の差は主に「用件を完結させるか、取り次ぐか」という業務範囲の差です。
大手BPOは料金を公開していません。通販支援のニッセンLINXがまとめた比較記事でも、ベルシステム24、りらいあコミュニケーションズ、KDDIエボルバ、トランス・コスモスなどの料金欄は「お問合せ」となっています。実額が公式サイトで確認できるのは、中小規模の代行会社が中心です。
| サービス(公式料金ページ) | 公開料金(税別) | 1件あたりに直すと |
|---|---|---|
| 電話代行サービス株式会社「コールセンター代行」 | 月50コール 25,000円〜、月300コール 95,000円〜(平日9〜18時)。超過は1コール300円〜。土日祝や21時までに広げると上がる | 300コール枠を使い切ると約317円 |
| 同「夜間休日電話代行」 | 月額30,000〜64,000円(10〜100コール)、超過は1コール400円〜 | 時間外は日中より単価が上がる |
| fondesk(電話の一次受け・取次) | 月額10,000円で50件まで、51件目以降1件200円(平日10〜17時) | 取次中心のため単価は低い |
相場表の数字は、業務の難易度・受付時間・件数で数倍変わります。とくに夜間・土日祝の対応は割増、専門知識が必要な技術サポートは1件1,000円を超えることがあると各社が注記しています。自社の見積を取るときは、件数だけでなく「受付時間帯」と「1件で完結させる範囲」を先に決めて伝えてください。
外注の月額だけを比べると、実際の負担を見誤ります。発注側で発生し続ける費用と工数も並べておきます。
| 費目・工数 | 内容 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 立ち上げ期間 | マニュアル作成・オペレーター研修・テスト受電 | 開始までの期間と、その間の自社側の対応工数 |
| マニュアル改定 | 商品・料金・キャンペーンが変わるたびの更新と再研修 | 改定は無償か有償か、反映までに何日かかるか |
| 超過料金・割増 | コールオーバー料金、夜間・土日祝の割増 | 繁忙月の件数と、時間外の入電割合で試算する |
| エスカレーション対応 | 外注先で完結しない案件の社内対応 | 社内に戻ってくる件数の割合。ここが多いと社内の電話は減らない |
| 報告・品質管理 | 応対記録の受け取り、定例会、モニタリング | 記録の粒度(全件の通話録音・テキストがあるか)と受け渡し方法 |
| 最低契約期間 | 年契約・席の確保期間・解約予告期間 | 縮小・切り替え時の撤退コスト |
とくに見落とされやすいのがエスカレーション対応です。外注先が「担当者から折り返します」と受けた件は、結局社内の誰かが電話をかけ直します。外注後も社内の電話対応が思ったほど減らない場合、原因はたいていここにあります。
自社でオペレーターを雇って受ける場合の、席あたりの基準額です。当サイトのAIコールセンターの費用相場と同じ算定方法・同じ出典を使っています。
| 項目 | 金額 | 出典・前提 |
|---|---|---|
| コールセンタースタッフ 募集時平均時給 | 1,484円 | リクルート「アルバイト・パート募集時平均時給調査」2026年2月度、三大都市圏 |
| 1席あたり人件費(月160時間) | 約23.7万円 | 上記時給 × 160時間 |
| CTI席料 | 15,000円/月 | BIZTEL 公開価格 |
| 1席あたり月額合計 | 約25万円 | 社会保険料の事業主負担・採用・研修・管理者・場所の費用は含まず |
この約25万円は下限に近い数字です。実際には、社会保険の加入対象になれば厚生年金(保険料率18.3%を労使で折半)や健康保険などの事業主負担が加わり、採用広告・研修期間の人件費・スーパーバイザーの人件費・席のスペースもかかります。深夜(22時〜5時)に働いてもらう場合は、労働基準法で2割5分以上の割増賃金が必要です。
内製で見落とされやすいのは、電話が鳴っていない時間にも人件費がかかることです。平日9〜18時の窓口なら受付時間は月約180時間。1人では休憩・休暇・同時着信を埋められないため、件数が少なくても最低2名の体制になりがちです。受付を24時間365日に広げると、1席を常時埋めるだけで月約720時間、つまり4〜5人分の勤務時間が必要になり、深夜割増も乗ります。件数に比例して払う外注やAIと違い、内製は受付時間に比例して費用が増えます。
AIコールセンター(会話型AIが電話に出て用件を聞き取り、案内・記録・有人への引き継ぎまで行う仕組み。AI電話対応とも呼ばれます)の料金は、有人の外注とは課金の単位が違います。
20サービスの料金公開状況と、1コール単価への換算方法はAIコールセンターの費用相場で詳しく扱っています。ここでは、有人の外注・内製と並べるために必要な「1コール単価」と「人に渡す件数」の考え方だけを使います。
AIの費用で最も効くのはAIが人に渡す件数(転送率)です。AIが自動で完結できなかった電話は、転送先で人が受けます。その人件費や外注費はAIの料金表には出てきませんが、比較では必ず足してください。企業の公式リリースで確認できた27事例では、AIの自動完結・自動化率は34〜96%と幅があります(AIコールセンター導入事例27選)。
同じ窓口を3つの方法で運営した場合の月額を、考え方を示すために試算します。以下は仮定を置いた計算モデルであり、特定企業の見積でも、当社が約束できる数字でもありません。仮定を一つ変えるだけで順位が入れ替わることがあります。
| 仮定 | 値 |
|---|---|
| 月間入電件数 | 1,000件(インバウンドのみ) |
| 受付時間 | 平日9〜18時(月20日、約180時間) |
| 平均通話時間/後処理 | 3分/2分 |
| 用件の性質 | 定型の問い合わせ・受付が中心で、マニュアルで完結できるもの |
| AIが人に渡す割合 | 20%(200件)。残り80%をAIが完結すると仮定 |
| 含めない費用 | 社会保険料の事業主負担、採用・研修、管理者、各方式の初期費用、自社システム連携の構築費 |
| 方式 | 計算 | 月額の目安 |
|---|---|---|
| 内製(2名体制) | 1,484円 × 160時間 × 2名 + CTI席料 15,000円 × 2席 | 約50万円 |
| 外注・月額固定型 | 1コール100〜200円 × 1,000件(公開相場) | 約10万〜20万円 |
| 外注・従量課金型 | 1コール300〜1,000円 × 1,000件(公開相場) | 約30万〜100万円 |
| 外注・公開料金の例 | 電話代行サービス株式会社 コールセンター代行 300コール枠 95,000円 + 超過700件 × 300円(税別、平日9〜18時) | 約30.5万円〜 |
| AI単独 | 公開価格帯の製品の場合(基本料+従量+転送通話料+SMS。費用相場の試算モデル) | 約3.3万円 |
| AI+人(転送分を外注) | AI 約3.3万円 + 200件 × 300〜1,000円 | 約9万〜23万円 |
上の試算は平日日中だけの窓口です。夜間・土日も受けたい場合、内製は前述のとおり4〜5人分の勤務時間と深夜割増が必要になり、外注も時間外プランは単価が上がります(前掲の公開料金では夜間休日の超過単価は1コール400円〜)。分単位の従量課金型のAIは、受付時間を延ばしても通話が増えない限り費用はほぼ変わりません。AIとの費用差がもっとも大きく出るのは、件数は多くないが受付時間を長くしたい窓口です。夜間から始める進め方はコールセンター無人化の現実解で整理しています。
当社のAIコールセンターを導入した株式会社宝宮設備様(神奈川県厚木市・エアコン工事・給湯器交換)では、1日20〜50件の設置後フォロー受電の約9割をAIが完結し、人が対応するのは緊急性が高いもの・判断が必要なものの約1割だけになりました。削減できた工数は数百時間規模で、電話対応のための採用も不要になっています。用件が設置後フォローに絞られている窓口での数字なので、代表電話のように用件が広い窓口では自動化率は下がります(宝宮設備様の導入事例)。
外注とAIのどちらに任せるかは、費用よりも先に用件の性質で決まります。直近1か月の入電を用件別に数え、次の表に当てはめてみてください。
| AIに寄せやすい用件 | 人(外注・社内)に残す用件 |
|---|---|
| 営業時間・所在地・料金など、答えが決まっている質問 | クレーム・謝罪・補償の交渉 |
| 予約・変更・キャンセルの受付 | 例外判断が必要な相談(規定外の返品・返金など) |
| 配送状況・手続き状況の確認(システム連携がある場合) | 契約内容の説明や意思確認など、慎重さが求められる手続き |
| 資料請求・折り返し依頼の受付(住所などはSMSのフォームに逃がす) | 技術的に複雑な問い合わせ、状況が毎回違うトラブル対応 |
| 夜間・休日の一次受付と用件の記録 | 命や安全に関わる緊急の連絡(AIは即時に人へ転送する設計にする) |
| 日程確認・リマインドなどの定型的な架電 | 機械の応対を望まないお客様(人につながる経路を必ず残す) |
AIが苦手とするのは、住所や漢字氏名の聞き取りと、答えが決まっていない相談です。前者は通話中にSMSでフォームを送る設計でかなり緩和できますが、後者は人に任せるべき領域です。どこまで任せられるかの詳細はAIコールセンターのデメリット8つと対処法にまとめています。業種ごとの用件の内訳は、EC・通販、賃貸管理、配送・設置工事などの業種別ページで具体例を挙げています。
外注かAIかの二択にする必要はありません。すでに外注している企業ほど、併用から始めるほうが現実的です。
どのパターンでも、AIから人へ渡すときに聞き取った内容を記録として一緒に渡せるかが重要です。お客様に同じ説明を2回させない設計にしないと、併用によって顧客体験が下がります。
サービスの選び方と比較観点はAIコールセンター比較20選、全体像はAIコールセンターとは|完全ガイドにまとめています。
コールセンター外注の費用は、料金体系(月額固定・従量・席数)と業務範囲(取次か完結か)で数倍変わります。内製は件数ではなく受付時間に比例して費用が増え、AIは件数と「人に渡す割合」で費用が決まります。3つの費用構造がまったく違うため、どれが安いかは自社の件数・受付時間・用件の内訳を当てはめて初めて分かります。
現実的なのは、定型用件はAI、例外対応は外注先または社内という分担です。まず直近1か月の入電を用件別に数え、「AIで完結できる件数」と「人が受ける件数」を分けて試算してください。その数字が、外注の見積とAIの見積を同じ土俵で比べるための出発点になります。
Rabona AI のAIコールセンターは、受電・架電の両方に対応し、通話中のSMS送信・有人への引き継ぎ・通話記録の自動通知までを一連のフローとして設計できます。現在の外注先の月次レポートや入電の内訳をもとに、AIに寄せられる件数と、人に残す件数の切り分けからお手伝いします。
記載内容は2026年9月時点の公開情報にもとづきます。外注の相場は各社が解説記事として示している目安であり、特定の見積額ではありません。料金は各社で変更されることがあるため、最新情報は各社公式サイトをご確認ください。試算は仮定を置いた計算モデルで、効果や費用を約束するものではありません。当社(株式会社Rabona AI)はAIコールセンターの提供事業者であり、本ページには自社サービスの案内を含みます。